中止署名20万超、Netflixオリジナル「Insatiable」ー SNSが娯楽を殺す未来。
公開中止署名20万超
Netflixオリジナルドラマ「Insatiable」が8月10日に公開された。賛否両論というよりは否が多数を締めながら炎上している。なんと公開前の2分間のプロモーション映像だけで、公開中止を呼びかける署名が22万も集まったそうだ。
批判を承知でいうのならこのドラマはもはや「Stranger Things」のコメディ版とも思える。80s favoriteをふんだんに詰め込んで一つの作品に作り上げたStranger Thingsに対して、2010s favoriteをふんだんに詰め込んだゴミ箱をひっくり返して散らかったフロアをInstagranフィルターに通したものを、これがコメディだと言い張っているような気概を感じた。
おおまかなプロットは、肥満でいじめられっ子女子高生Pattyがひょんなことからダイエット成功、たまたま出会った弁護士でミスコンのコーチを過去に勤めていたBobと知り合う。様々な困難を乗り越えて果たしてミスアメリカになれるのか、というありがちなシンデレラドラマを、正に今のアメリカをバカにしているような毒々しいジョークと皮肉で包み揚げたコメディドラマだ。多分。
ありとあらゆるティーンドラマに出てくる考えうるシチュエーション、シングルマザー、デブいじめ、ホモフォビア、LGBTQ、アルコール、薬物、浮気、悪魔信仰で洗脳をしようとする彼氏、自殺、自己否定など、二郎ましましの胃もたれするような内容が12話に詰め込まれ、このなんとも言えないアメリカ地方都市郊外ビュッフェがたまらない。
なぜこんなに炎上しているのかGurdianの記事を読んでみた。
www.theguardian.com
1. デブに見せる特殊衣装での撮影はよくない。
記事は
『痩せた女優がデブのトランス男性を演じた「ラブ&タグ」、白人女性がアジア人主人公を演じた「攻殻機動隊」の炎上からもうこれはNGとなったはずだ。デブを使いたいならデブの女優を使うべきである。』
『特殊衣装-fat suits-はデブをなんだか異常なものであると扱っている。そんなのはおかしい。デブは偉大なデブネスで存在するし、それはもう毎日かかってこいよ!という感じである。』
なるほど。平等のため、全ての人が自分の人種と体型にもとづいた選ぶことで俳優業の平等を目指していこうという話だ。と思ったら、なんだか空回りしている。そもそも平等の話もせめて人種くらいに止めればいい。ドラゴンボールの実写化のドドリア役の俳優が、容姿が一致していると認められた自信をもつ世の中は難しい。特殊衣装がダメなら、モーションキャプチャーからCGで太ったその女優を作り、デブ星人と呼べば問題解決だ。ディズニーもそうしている。いつからこんなに娯楽がセンシティブになったのだろうか。近頃こんな話ばかり聞く。
2. 痩せた理由が。顎の手術。
『痩せた理由が。。。顎、の、手術。過食の人がみたらどれだけ傷をつけるだろうか。毎日鏡で体型を気にしているような、10代の若者がみているのだ。』
このショーはコメディだ、10代の若者もそのくらい理解しているだろう。